「 Loopamp腸管出血性大腸菌検出試薬キット」は、食品または環境由来検体から、 LAMP法により、腸管出血性大腸菌が保持するVT遺伝子を特異的に認識するプライマーを用いて、短時間で迅速に、腸管出血性大腸菌のVT遺伝子を増幅・検出する遺伝子検査キットです。核酸の抽出操作も、キットの抽出試薬により簡便で、増菌培養の翌日に、わずか2時間以内で腸管出血性大腸菌を検査することができます。
専用のLoopampリアルタイム濁度測定装置を用いて、増幅反応副産物であるピロリン酸マグネシウム(白色沈澱物質)による濁度の増加を測定することによって検出します。 本製品の使用方法につきましては、製造販売元サイト[Eiken GENOME SITE](下記)の製品取扱説明書をご参照ください。
注意:お受け取り後は、製品の品質保持のため速やかに冷凍庫保存(−20℃保存)いただくようお願いいたします。
腸管出血性大腸菌検出試薬キット(265KB) 食中毒原因菌検出試薬キットシリーズ(246KB)
腸管出血性大腸菌(EHEC:Enterohemorrhagic Escherichia coli (E.coli ))は、毒性の強いベロ毒素(Verotoxin;VT)を産生することからVTEC(Verotoxin-producing E.coli )とも呼ばれています。飲食物等を介して経口感染し、出血性の下痢、腹痛、発熱などの食中毒症状を起こしますが、まれに溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発し、死に至ることもあります。 腸管出血性大腸菌による食中毒は、1982 年に米国で初めて確認されました。日本国内では1990 年に、埼玉県浦和市の幼稚園で井戸水を原因としたO157 集団発生で確認され、1996年には大阪府堺市で大規模食中毒が発生するなどO157による食中毒が全国で爆発的に流行し、社会問題となりました。 血清型としてはO157が最も良く知られていますが、O157の全ての株がベロ毒素を産生するわけではありません。一方、O26、O111などの血清型にも、ベロ毒素を産生してO157と同様の症状を起こすものがあることが知られており、中でもO26の増加傾向が認められています。このため、腸管出血性大腸菌の検出では、ベロ毒素産生性を確認することが重要となります。 従来、厚生労働省から通知されていた食品からの腸管出血性大腸菌の検査方法が統合され、平成24年12月17日付で「腸管出血性大腸菌O26、O111及びO157の検査法について」(食安監発1217第1号)が発効されました。この中で、VT遺伝子検出法の1つとして、「Loopamp腸管出血性大腸菌検出試薬キット」も収載されております。また、今回、この通知記載のDNA抽出法に対応するため、抽出用の試薬を追加し、自家調整することなくご使用いただけることになりました。